かわたびほっかいどうで紹介された各開発建設部の取り組み(記事)から、特に優れたものを表彰する「かわたびほっかいどう大賞」。2022年度は大賞と3つの優秀賞が選出されました。この記事では、優秀賞を受賞した「ダムで日本酒の貯蔵実験&大雪ダムの裏側満喫ツアー」について、贈呈式の模様と受賞者の声をご紹介します。
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2月27日、かわたびほっかいどう優秀賞の贈呈式が、層雲峡温泉氷瀑まつりの会場で行われました。式では旭川河川事務所の大山孝所長から、取り組みの中心となった層雲峡観光協会の中島慎一事務局長へ記念の盾が手渡されました。また、取り組みの経緯や今後の展望について、中島事務局長にインタビューを行いました。
◎優秀賞受賞の感想は
「大雪ダムとの取り組みが評価され優秀賞を受賞することになったことは、素直にうれしい。また、かわたびほっかいどうで取り上げて頂くことは、地域の取り組みのPRや振興にも繋がるので、とても感謝している」
◎大雪ダムで日本酒を貯蔵することになった経緯は
「コロナ禍の影響で上川大雪酒造(株)の売り上げが落ち込んでいるとの話を聞き、上川町とも、地域として何か協力できないかと相談をしていた。大雪ダムの内部は気温が一定で、日本酒の貯蔵に適している。話題性に加え、日本酒の味が向上して売り上げアップに繋がればと、実現に向けて調整を行った」
◎日本酒貯蔵に向けて苦労したこと。また今後の展望は
「(大雪ダムへの)日本酒搬入作業のボランティアが集まるか不安だったが、結果的には、地元ホテルの従業員や地域の方が多数集まり、地域をあげて搬入作業が出来たので大変良かった。ボランティアには、1年後に貯蔵した日本酒がプレゼントされることになっている。
貯蔵された日本酒は、新しいラベルで販売されると伺っており、こちらも楽しみ。販売方法は酒蔵会社と調整しながら、報告会で審査委員から話のあった札内川ダムに貯蔵されている日本酒とのセット販売などもできれば良いと思っている」
◎層雲峡観光協会の紹介で野口観光が大雪ダム見学ツアーを開催することになったという。その経緯は
「土日だけでなく平日の集客に繋げるアイデアを模索する中で、ホテルや旅行会社関係者と大雪ダムの見学をさせてもらったことがきっかけ。結果として、野口観光系のホテルが大雪ダムの見学を組み込んだ宿泊プランを商品化した」
過去開催された大雪ダムの裏側満喫ツアーの様子
◎大雪ダムの今後の活用については
「冬期アクティビティについては、今年1月29日からダム湖でアイスカルーセルを中心とした体験イベントを開催した。個人客の集客が伸び悩んだが、初めての開催としては、満足いく結果であった。ダム湖の素材特性を活かし少ない労力で実施できるので来年も引き続き実施したいと考えている。
夏場の利用は、層雲峡の夏場のコンテンツとして、登山や石狩川のラフティングが実施されているが、さらなるアクティビティを模索している。大雪ダム湖でのスタンドアップパドルボートやカヌーなどで活用し、コンテンツをさらに増やしていきたい。
ダム貯蔵については上川大雪酒造でチーズの商品化も進めており、日本酒と同様にダムへ貯蔵したいとの話もある。引き続き、協力をお願いしたい」
過去開催された冬期アクティビティのスノーシュー体験の様子
◎層雲峡地域のこれからについて
「大雪ダムも含めた層雲峡地域は、大雪国立公園内にあり石狩川やダムなど観光資源は多い。しかし、十分に活用しきれておらず、現状は、登山と温泉がメインとなっている。これら観光資源のさらなる活用や情報発信の強化が今後の課題であり、平日の集客力を高める取り組みを進めていかなければならない。その一つとして大雪ダムの満喫見学ツアーを実施して頂いているところであり、既に受け入れが始まっている農業体験などと合わせて、平日集客の大口となる修学旅行客に魅力となる体験メニューを開発できればと考えている」