令和7年1月22日(水)、今年度のかわたびほっかいどうの活動報告会が開催されました。今年で4回目。各団体からは地域の特徴を活かした工夫とアイデアに満ちたな取り組みが紹介されました。
取り組みの中から特に優れたものが「かわたびほっかいどう大賞・優秀賞」に選出されます
全道の水辺で実施されたユニークな取り組みの中から13の発表があり、工夫した点や地域との連携などについて紹介がありました。他の地域での展開の可能性を秘めた取り組みも多くあり、参加者は大いに参考になったようです。
◆取組内容の概要◆
当日発表のあった13件について、その活動概要をお知らせします。
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No.1 砂川オアシスパークの利用について
(石狩川下覧櫂、株式会社櫻井千田、滝川河川事務所)
一年を通してさまざまなイベントが開催されている砂川遊水地の利用について紹介。個人のカヌー利用や夜のコンサートを含む多彩なイベントが行われ、夏にはキッチンカーが並ぶ「ラブリバー砂川夏祭り」、秋は「砂川秋祭り」などが定着しています。
「石狩川下覧櫂」の取り組みとしては、特にアイスカルーセルに力を入れています。市街地で体験できる機会は少ないので、気軽に楽しめるよう無料イベントを実施しています。
No.2 えにわ湖カヌー&ダム見学1DAYツアー
(一般社団法人 かのあ、千歳川河川事務所)
恵庭市にある「えにわ湖(漁川ダム湖)」でカヌー体験とダム見学をセットにした新たな観光プログラムを立ち上げました。一般社団法人かのあは四季を通して自然体験・環境保全を行う団体。市内外の子ども向けプログラムや観光客向けカヌー体験を提供しています。
ダム見学では防災やインフラの学びの要素を取り入れており、今後さらに体制を整え、えにわ湖の利活用を継続していきます。
No.3 北海道カメラ女子の会「かわたびほっかいどう」さんとの取り組み
①総合治水推進週間現地視察会に参加!
②えにわ湖カヌー&ダム見学 1DAYツアーに参加
(北海道カメラ女子の会、札幌開発建設部)
「北海道カメラ女子の会」は写真が好きな女性が集まり、SNSで北海道各地の魅力を発信するコミュニティ。地元の何気ない風景や祭り、地域行事を写真で紹介し、Instagramを中心に積極的に発信。エンゲージメント率(投稿への反応率)は高く、自治体や企業などからもSNSの運用支援を求められるケースが増えています。
今後も「知るから始まる魅力発信」を合言葉に、写真を通して北海道のさまざまな川や地域を元気にしていく予定です。
No.4 豊平川の冒険
(中央小学校地域連携協議会、札幌河川事務所)
札幌市立中央小学校の地域連携「つながる中央」が、豊平川での親子体験学習を実施しました。学校から近いにもかかわらず、「危険」というイメージで、子どもたちもあまり足を運ばない豊平川。そこで、しっかりとした安全管理のもと、実際に川に入り、小学生と保護者が一緒に川の生き物採取や川遊びを行いました。参加者からは「思ったより水が冷たい」「生き物がたくさんいた」といった新鮮な驚きの声がたくさん。適切なルールや知識を身につければ地域の宝物になるということを、これからも伝えていきます。
No.5 後志利別川 清流まつり
(後志利別川清流まつり実行委員会、今金河川事務所ほか)
今金町を流れる後志利別川は水質が最も良好な河川として、全国最多の23回選出された日本一の清流。「清流まつり」は今金町のシンボルとして川の恵みに感謝し、その魅力を町外にもPRする役割も担っています。
イベントは、金堀(砂金掘り)体験、水生生物展示、キッチンカーや特産品販売など内容も多彩。今年度はあいにくの雨にもかかわらず多くの町内外から来場者があり、にぎわいを見せました。
No.6 尻別川クリーン作戦
(蘭越町、倶知安開発事務所蘭越分庁舎)
尻別川クリーン作戦は毎年6月頃開催し、蘭越町の有志や学生など、多いときは450名近くが参加。周辺のゴミ拾いだけでなく、カヌーで川の中のゴミも回収するのが特徴です。平成7年から30年近く続く活動で、令和4年度350名→令和5年度370名→令和6年度450名と回を重ねるごとに参加者が増加しています。
今後も多くの方に参加していただけるよう、広報活動を続け、クリーン作戦を定着させていく予定です。
No.7 大雪ダムde湖上アクティビティ秘境体験&上川アイヌ文化体験
(一般社団法人層雲峡観光協会、協定機関連盟ジャンボツアーズ北海道会、旭川河川事務所大雪ダム管理支所)
大雪山国立公園内にある大雪ダム湖を通年リゾートとして活用し、インバウンド誘客や地域活性を図る取り組みを紹介。夏は「湖上アクティビティ」としてSUP(サップ)・カヤック・フィッシングなど、冬は「アイスカルーセル」や雪上の遊びを企画し、地域事業者・ガイド・町やダム管理所が連携して進めています。
大雪ダム管理所でも高校生の研修を受け入れるなど、教育向けプログラムにも取り組み始め、今後も協創チームを設置し、地域の皆さんと力を合わせてコンテンツを拡充させる予定です。
No.8 鵡川沙流川サイクリングwithかわたび×日高シーニックバイウェイの開催について
(日高サイクリング協会、室蘭開発建設部)
鵡川、沙流川の自然を活かし、サイクリングで地域を回遊してもらうコース設定のプロセスを紹介。今年度は「ぐるっと回遊できるルート」に改良し、日高ならではのアイヌ文化や豊かな田園風景などを組み合わせ、休憩地点では地元の方にお話ししてもらうなど、観光と文化体験がセットになったサイクリングを行いました。
アイヌ文化を学びつつ景観を楽しめるルートとして発信することで、インバウンドやシーニックバイウェイとの連携強化を目指しています。
No.9 3つの国立公園とまちを繋ぐロングトレイル~北海道東トレイル~
(環境省 釧路自然環境事務所 阿寒摩周国立公園管理事務所、北海道東トレイル運営事務局、釧路開発建設部)
新しく開通した「北海道イーストトレイル」(通称「H・E・T(ヘット)」)は、知床国立公園、阿寒摩周国立公園、釧路湿原国立公園を一続きに歩ける、全長約410kmのロングトレイル。14の市町村にまたがる大規模なプロジェクトで、関係機関の協力を得て、約2年かけて2023年10月に正式に開通しました。実際のコースには1歩1歩の積み重ねの中でしか味わえない感動があり、今後は国内外に向けて情報発信を強化していきます。
No.10 十勝うまかわプロジェクト
(帯広畜産大学、帯広開発建設部治水課)
馬を活用した河川管理と防災への可能性を模索する活動を紹介。「馬文化の継承・発展に貢献する」取り組みを推進する帯広畜産大学と帯広開発建設部が共同で取り組みました。
昨年11月、大学の敷地から馬2頭を連れ出して川の堤防や河川敷、背丈以上の草むらを歩行し、水辺への接近もテスト。馬も初体験ながら、意外と順応が早いことを確認。足場が悪いところなど課題もありつつ、「河川騎馬パトロール」などの可能性を検討しています。
No.11 札内川 コーヒーキャンプ
(株式会社AOILO、トカプコーヒー、メイコーヒー、カシオペイアコーヒー店、シフトコーヒー、中札内村、帯広河川事務所)
帯広河川事務所では、札内川ダムを活用した「ダム貯蔵シリーズ」として、これまでコーヒー豆やチーズ、日本酒、ワインなどの熟成実験に取り組んできました。今年度は特にコーヒー豆に注目して、「コーヒーキャンプ」というイベントを実施。焙煎の仕方や淹れ方をバリスタが教える教室、モルック体験、そして札内川ダムの見学という内容。参加者からは「焙煎が想像以上に奥深い」「ダム見学がセットになるのが面白い」と好評でした。
No.12 湧別川をまるごと楽しもう!~2024せせらぎスクールを開催 R6.7.28~
(ゆうべつアウトドアクラブYU-PAL、遠軽開発事務所)
遠軽開発事務所と湧別アウトドアクラブ「ユーパル」が連携し、湧別川で環境学習とレジャー体験を組み合わせた「せせらぎスクール」を開催しています。午前は川の生き物採取やパックテストなどで水質を学び、午後は釣りやカヌーを体験。平成10年の開始以来、参加者は約80名規模に増え、町内小中学校の総合学習にも展開しています。川に対する理解や愛着を深める場として20年以上続いており、地域貢献と子どもの学びの両立を目指しています。
NO.13 留萌川サイクリングにおける地域と連携した活動について
(留萌市地域振興部経済港湾課、留萌観光連盟、留萌開発建設部)
留萌市内の道の駅から留萌ダムまで約20キロを川沿いに走るコースを整備。令和3年度から試走会を行い、案内表示の不足や周知が課題と判明したことから、看板やシールタイプの案内を設置したほか、地図にQRコードを付けるなど情報発信を強化しています。今後は令和8年オープン予定のモンベル店舗や、増毛〜小平間を含む「オロロンラインサイクルルート」とも連携し、鉄道との組み合わせも視野にサイクリング誘客に取り組んでいます。