2026.04.24公開

北海道の河川に遡上する
サケ・マスの仲間

「サケ・マス」とは北太平洋に生息するサクラマス、ギンザケ、マスノスケ、ベニザケ、サケ、カラフトマスのサケ属魚類6種のことで、英語では “pacific salmon” と呼ばれています。このうち北海道において漁獲量が多いのはサケ、カラフトマス、サクラマスの3種です。
これら3種は川で生まれ、海で育ち、親となって自分の生まれた川へ産卵のために戻ってきます。北海道では昔からこの習性を利用して「サケ・マス」を人工的に増やす取り組みが各地で行われていますが、近年、サケ・カラフトマスの河川遡上数が減少しています。サクラマスは魚道整備等によって増加傾向を示していますが、シロサケやカラフトマスのように河川の中流域までしか遡上しない種は河川環境や水温環境等の影響などによって減少傾向です。

漁獲量が多い3種(サケ、カラフトマス、サクラマス)

サケは、湧水・地下水の湧出が多く、一年中水温が安定している河川に遡上して産卵します。何故、水温の安定した河川に遡上し産卵するのかは、孵化水温の関係があります。他のサケ科魚類は、産卵から孵化・浮上までの積算水温が450℃前後であるのに対し、サケは、孵化・浮上までに960℃前後の積算水温が必要となるため、地下水や湧水の存在が条件となります。従って、産卵場も平瀬ではなく河原や入り江などに地下水などが湧出する場所を選択します。近年、河道の固定化によって河床低下に伴う河床材料の流出や地下水などの遮断などによって河川環境が劣化しており、サケ資源の減少を招いています。

カラフトマスは、北海道のオホーツク海沿岸と根室海峡沿岸の河川に多く、日本海側では道北の天塩川など限られた河川での遡上です。稀に、石狩川や千歳川・漁川などに遡上した個体も確認されています。
産卵場は、サケとは異なり湧水の湧き出るところとではなく、河川水が河床礫に浸透する場所が産卵場となり、孵化後はサケやサクラマスとは異なり浮上稚魚はすぐに海へ降海するため、川は単なる産卵場所としてしか利用しません。カラフトマスとしての名前は馴染みが薄いですが、一般にサケ缶と言われる原料がカラフトマスです。
近年では、北海道のオホーツク沿岸や道北沿岸の河川もカラフトマスの遡上は減少しており、減少要因は解明されていません。

サクラマス幼魚は、生まれてから1年間河川内で生活し、2年目の春に海に降海します。写真上は河川残留型(ヤマメ)、写真下が降海型の個体です。

降海したヤマメは海で1年間生活し、生まれた川に戻ってきます。河川への遡上は融雪洪水時の4月から5月に帰ってきます。川に遡上してきたサクラマスは大きな淵で餌も取らずに産卵期の9月まで川で成熟します。8月頃の降雨洪水時に、本川や支流河川の上流域まで遡上して、9月から10月頃に産卵します。

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